熱帯魚の飼育には水槽用ヒーターが必要だと考えられていますが、実は一部の魚種はヒーターなしでも元気に育てることができます。
これは魚の種類によって低温への耐性が大きく異なるためです。例えば、アカヒレやプラティ、古代魚の一部は15℃以下の低水温でも生きることができます。また、水草やエビの中にも低温に強い種類が存在します。
ただし、ヒーターなしでの飼育は魚にストレスを与える可能性があり、病気のリスクも高まります。
特に冬場は水温管理が難しく、急激な温度変化で体調を崩す危険もあります。しかし、寒い季節でも室温が15℃以上を保てる環境があれば、適切な種類選びと管理方法でヒーターなしでの熱帯魚飼育にチャレンジできます。
記事のポイント
- 熱帯魚はヒーターなしでも飼えるの?
- ヒーターなしで飼える古代魚3選!
- ヒーター無しで飼えるエビ
- ヒーター無しで育てられる水草は?
- 水槽ヒーターの代わりに使い捨てカイロは使える?
熱帯魚はヒーターなしでも飼えるの?

熱帯魚の多くは25~26℃の安定した水温を好みます。
これは熱帯魚が熱帯や亜熱帯地域の生き物だからです。しかし、種類によってはヒーターなしでも飼育できる熱帯魚が存在します。
室温を一定に保つ
ヒーターなしで飼育するためには、まず室温管理が重要です。最低でも15℃以上を維持できる環境が必要で、エアコンや断熱材を活用して室温を調整することをお勧めします。ただし、冷暖房の風が直接水槽に当たると急激な温度変化を引き起こすため、設置場所には十分な注意が必要です。
水温の急激な変化を避ける
水温の急激な変化は魚に大きなストレスを与えるため、窓際や外気の影響を受けやすい場所は避けるべきです。また、水槽を断熱材で覆うなどの工夫をすることで、温度変化を緩やかにすることができます。
水槽の設置場所は、室温が安定している場所を選び、エアコンの真下や直射日光が当たる場所は避けましょう。
ヒーターなしのリスク
ヒーターなしで飼育する際のリスクとして、水温低下による魚の活動量減少があります。また、低温環境では免疫力が低下して病気になりやすくなり、極端な低温では最悪の場合、死亡することもあります。
特に冬場は室温が大きく下がるため、細心の注意が必要です。夜間の温度低下も見逃せません。また、季節の変わり目は温度変化が大きくなりやすいので、この時期は特に水温の変化に気を配る必要があります。
このように、ヒーターなしでの飼育には様々な課題がありますが、適切な環境管理と魚種の選択により、十分に可能となります。
ヒーターなしで飼える古代魚3選!

古代魚は独特な外見と悠然とした泳ぎ方から、アクアリウム愛好家に人気があります。中でも北米原産のガー類は、低温に強い特徴を持っています。
古代魚一覧
- アリゲーターガー
- スポッテッドガー
- ポリプテルス・セネガルス
アリゲーターガー
アリゲーターガーは、驚くべきことに0.5℃という極めて低い水温まで耐えることができます。
ただし、水面が凍ると窒息するリスクがあるため、そこまでの低温は避けるべきです。また、日本では特定外来生物に指定されており、飼育には許可が必要となります。
スポッテッドガー
スポッテッドガーも北米原産で、低温に強い古代魚の一つです。
最大で90cmほどに成長しますが、アリゲーターガーと比べると小型で、飼育がしやすい特徴があります。水槽は最低でも120cm以上を用意する必要があります。
ポリプテルス・セネガルス
ポリプテルス・セネガルスは、アフリカ原産の古代魚です。
比較的飼育が容易で、ある程度の低温にも耐えられます。ただし、15℃以下になるとストレスを感じる可能性があるため、冬場の室温管理には特に注意が必要です。
古代魚をヒーターなしで飼育する際は、水槽の設置場所が重要です。室温が安定している場所を選び、断熱材を使用して水温の急激な変化を防ぐことが大切です。また、多くの古代魚は大型に成長するため、十分な水槽サイズを確保することも忘れてはいけません。
酸素供給も重要なポイントです。一部の古代魚は空気呼吸が可能ですが、酸素供給を怠ると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。エアレーションを設置して、十分な酸素を供給することをお勧めします。
アカヒレをヒーターなしで飼育:室温15℃以上

アカヒレは、ヒーターなしでの飼育に最も適した魚の一種です。
コイ科に属するこの小型魚は、もともと中国南部の温帯地域に生息しており、熱帯魚とは異なり幅広い水温範囲に適応できる能力を持っています。
適応できる水温
アカヒレが適応できる水温は10~27℃と非常に広く、特に15~25℃の範囲であれば快適に過ごすことができます。20℃前後の水温では最も活発に活動し、美しい泳ぎを見せてくれます。
ただし、10℃以下の低水温では代謝が低下し、白点病などの病気にかかりやすくなるため、できるだけ15℃以上を維持することをお勧めします。
ヒーターなしでアカヒレを飼育する際は、室温の管理が重要なポイントとなります。室内飼育の場合、冬場でも15℃以上を維持できる環境が理想的です。
そのために、エアコンや断熱材を活用して室温を安定させましょう。また、窓際や外気の影響を受けやすい場所は避け、水温変化の少ない場所に水槽を設置することが大切です。
水温の急激な変化は、アカヒレにとって大きなストレスとなります。このストレスを軽減するために、断熱材や水槽カバーを使用して水温を安定させる工夫が必要です。特に冬場は、水温が急激に低下しやすいため、注意が必要です。
餌の量も注意!
餌やりにも注意が必要です。低水温時は魚の代謝が落ちるため、消化不良を防ぐために餌の量を調整する必要があります。
冬場は1日1回程度の給餌で十分です。また、低水温環境では病気のリスクが高まるため、日頃から魚の様子をよく観察し、異常があれば早めに対処することが大切です。
このように、アカヒレは比較的手軽にヒーターなしで飼育できる魚ですが、適切な環境管理と日常的な観察が欠かせません。初心者の方にもお勧めできる魚種ですが、魚の健康を第一に考え、必要に応じてヒーターの使用も検討しましょう。
ベタをヒーターなしで飼育:室温20℃以上

ベタは美しい姿から人気の高い熱帯魚ですが、ヒーターなしでの飼育については慎重な判断が必要です。
ベタの適温は24~28℃と比較的高めで、この温度範囲を維持することが健康的な飼育の鍵となります。
水温が20℃を下回ると、ベタの体に様々な影響が現れます。まず目に見える変化として、活動が明らかに鈍くなります。これは単なる元気のなさではなく、代謝機能の低下を示すサインです。
さらに深刻な問題として、免疫力が著しく低下し、白点病などの病気にかかりやすくなります。
室温は20℃以上を維持
ヒーターなしでベタを飼育する場合、室温が常に20℃以上を維持できる環境が最低条件となります。
しかし、注意しなければならないのは夜間の温度低下です。日中は適温を保っていても、夜間に室温が下がると水温も急激に低下してしまいます。このような温度変化は、ベタに大きなストレスを与えることになります。
水温の安定性を保つために、いくつかの対策が考えられます。
水槽を断熱材や発泡スチロールで囲むことで、温度変化を緩やかにすることができます。また、小型の容器は水温が変化しやすいため、できるだけ大きめの水槽を使用することをお勧めします。
餌やりについても、水温に応じた調整が必要です。
低水温時は代謝が落ちているため、通常より少なめの給餌量にします。消化不良を起こすと、さらに体調を崩すリスクが高まるためです。
結論として、ベタのヒーターなし飼育は可能ではありますが、推奨はできません。ベタは本来の熱帯魚としての性質上、安定した高めの水温を必要とします。魚の健康と快適な生活を考えると、適切な温度管理ができるヒーターの使用が望ましいでしょう。
プラティはヒーターなしの飼育は難しい

プラティは鮮やかな体色と丈夫さを兼ね備えた人気の熱帯魚です。
この魚の適温は24~27℃ですが、比較的広い温度範囲に適応できる特徴を持っています。
ヒーターなしでの飼育も可能ですが、いくつかの重要な条件を満たす必要があります。
水温が20℃までなら大丈夫
プラティは20℃程度までの水温であれば、比較的元気に過ごすことができます。
しかし、15℃を下回ると健康に深刻な影響が出始めます。特に注意が必要なのは、低温環境では免疫力が低下し、白点病などの病気にかかりやすくなることです。また、活動が鈍くなり、食欲も低下する傾向があります。
冬は特に注意!
冬場の飼育には特別な注意が必要です。
室温が大きく下がる季節は、水温も同様に低下するため、プラティにとって大きなストレスとなります。
このような時期は、断熱材や発泡スチロールを使用して水槽を保温する工夫が欠かせません。また、エアコンを使用して室温を管理することも効果的です。
水槽の設置場所や餌やりについて
水槽の設置場所も重要なポイントです。
窓際や外気の影響を受けやすい場所は避け、室内の温度変化が少ない場所を選びましょう。
また、小型の水槽は水温が変化しやすいため、できるだけ大きめの水槽を使用することをお勧めします。これにより、水温の変化をより緩やかにすることができます。
餌やりについても、水温に応じた調整が必要です。低水温時は魚の代謝が落ちているため、普段より少なめの量にします。また、消化の良い餌を選ぶことで、消化不良を防ぐことができます。
繁殖にはヒーターが必須
プラティの繁殖を考えている場合は、ヒーターの使用を強くお勧めします。低水温環境では繁殖活動が著しく低下し、産仔数も減少する傾向があります。健康的な繁殖のためには、24℃程度の安定した水温を維持することが望ましいでしょう。
このように、プラティのヒーターなし飼育は可能ですが、適切な環境管理が不可欠です。
特に冬場は水温管理に十分な注意を払い、魚の様子を日々観察することが大切です。初心者の方は、まずはヒーターを使用した基本的な飼育方法を習得してから、ヒーターなし飼育にチャレンジすることをお勧めします。
ヒーター無しで飼えるエビ

観賞用エビの中にも、ヒーターなしで元気に育つ種類がいます。特に日本の河川や沼に生息する種類は、低水温への適応力が高く、屋外のビオトープでも飼育が可能です。
エビ一覧
- ミナミヌマエビ
- ヤマトヌマエビ
- チェリーシュリンプ
- ミゾレヌマエビ
ミナミヌマエビ
代表的な低温に強いエビとして、ミナミヌマエビを挙げることができます。
このエビは驚くべきことに5℃程度の低水温にも耐えることができ、非常に丈夫な種類です。
日本の河川や沼に生息している特性から、凍結さえしなければ冬場でも問題なく飼育することができます。水槽の掃除役としても活躍し、アクアリウムに欠かせない存在となっています。
ヤマトヌマエビ
ヤマトヌマエビもミナミヌマエビと同様に、5℃程度までの低水温に耐えられる強靭な生命力を持っています。
特筆すべき特徴として、コケ取り能力の高さがあります。水槽内の藻類を効率的に食べてくれるため、水槽の美観維持に大きく貢献します。ただし、繁殖には汽水環境が必要となるため、淡水水槽での世代交代は難しいという特徴があります。
チェリーシュリンプ:14~15℃必要
人気の高いチェリーシュリンプは、14~15℃程度までなら飼育可能です。
鮮やかな赤色が特徴的で、観賞価値の高いエビですが、それ以下の水温では活性が低下し、弱い個体は死亡してしまう可能性があります。急激な温度変化にも弱いため、水温の変動には特に注意が必要です。
ミゾレヌマエビ:10℃程度まで
ミゾレヌマエビは10℃程度までの低水温に耐えることができ、透明な体に白いスポット模様が美しいエビです。屋外飼育にも適しており、比較的手軽に飼育を楽しむことができます。
これらのエビをヒーターなしで飼育する際は、室温と水温の管理が重要です。
室温が15℃以上を維持できる環境であれば、多くの種類で飼育が可能です。
ただし、夜間や冬場に室温が大きく下がる場合は、水槽の保温対策が必要となります。発泡スチロールや断熱材を使用して、水温の急激な変化を防ぐことをお勧めします。
また、水温変化はエビにとって大きなストレスとなります。昼夜の温度差は2~3℃以内に抑えることが理想的です。
水槽の設置場所も重要で、窓際や外気の影響を受けやすい場所は避け、室内の温度変化が少ない場所に設置します。水深を深くすることで、表面の水温変化が底層に影響しにくくなるという利点もあります。
暑さや寒さに強い熱帯魚

熱帯魚の中には、高温と低温の両方に適応できる種類が存在します。これらの魚は環境の変化に強く、初心者でも比較的飼育がしやすい特徴を持っています。
高温に強い熱帯魚
- ガラ・ルファ(ドクターフィッシュ)
- アロワナ
- アフリカンシクリッド
- ディスカス
- セルフィンプレコ
ガラ・ルファ(ドクターフィッシュ)は37℃にも耐える
高温に強い熱帯魚として注目されるのがガラ・ルファ(ドクターフィッシュ)です。
驚くべきことに37℃という高水温まで耐えることができます。この魚は高温環境でも活発に活動し、皮膚の角質を食べる習性から、美容目的でも知られています。
アロワナとアフリカンシクリッドは最大35℃
アロワナは最大35℃までの高水温に耐えられる大型魚です。
存在感のある体格と丈夫な体質を持ち、水槽のシンボル的な存在となります。
同じく35℃まで耐えられるアフリカンシクリッドは、鮮やかな体色と強い性格が特徴で、熱帯魚ファンの間で人気があります。
ディスカスとセルフィンプレコは32℃まで
ディスカスは32℃までの高温に耐えられ、その美しい体色で多くの愛好家を魅了しています。
ただし、水質管理には気を配る必要があります。
セルフィンプレコも32℃までの高温に適応でき、底砂の掃除をしてくれるメンテナンスフィッシュとしても重宝されます。
低温に強い熱帯魚
- アカヒレ
- コリドラス・パレアタス
- タイワンキンギョ(パラダイスフィッシュ)
アカヒレとコリドラス・パレアタスは約10℃まで耐える
低温に強い熱帯魚としては、すでに紹介したアカヒレが代表的です。
約10℃という低水温まで耐えることができ、初心者にも最適な魚種です。屋外ビオトープでの越冬も可能です。
コリドラス・パレアタス(通称:青コリ)も約10℃までの低温に耐えられる丈夫な魚です。
底砂を掃除する習性があり、温和な性格で他の魚との混泳も容易です。
タイワンキンギョ(パラダイスフィッシュ)は15℃程度まで
タイワンキンギョ(パラダイスフィッシュ)は15℃程度までの低温に耐えられ、さらに酸欠や水質変化にも強い特徴があります。
ただし、これらの魚を飼育する際も水温管理は重要です。急激な水温変化はどの魚種にとってもストレスとなるため、エアコンや保温材を活用して水温を安定させることが大切です。
また、魚種ごとの適水温を把握し、無理のない範囲で飼育を行うことをお勧めします。特に冬場は、状況に応じてヒーターの使用を検討する必要があります。
ヒーター無しで育てられる水草

室内の水槽でヒーターなしでも育てられる水草は数多く存在します。これらの水草は耐寒性が高く、低温環境でも成長可能な特徴を持っています。ただし、生育速度は水温によって大きく変化します。
ヒーターなしで育つ水草
- マツモ
- アナカリス(オオカナダモ)
- スクリューバリスネリア
- バリスネリア・スピラリス
- ウィローモス
- ミクロソリウム
- グリーンロタラ
マツモ
マツモは日本国内でも自生する多年草の水草で、15℃以下の低温でも生育可能です。
成長は鈍化しますが、秋になると冬芽を作って越冬する能力を持っています。また、切れた枝からも根が生えるため、増殖が容易という特徴があります。
アナカリス(オオカナダモ)
アナカリス(オオカナダモ)は環境適応能力が高く、金魚やメダカの水槽でよく使われる定番の水草です。
10℃以下の低温でも生存可能で、水面が凍結しなければ越冬できます。コケの発生予防にも効果があり、水質浄化にも貢献します。
スクリューバリスネリアやバリスネリア・スピラリス
スクリューバリスネリアやバリスネリア・スピラリスは、ねじれたテープ状の葉が特徴的な水草です。
10℃程度の低温でも生育可能で、室内環境であればヒーターなしでの越冬も可能です。レイアウト水槽に適しており、美しい景観を作り出すことができます。
ウィローモス
ウィローモスは、コケの一種で流木や石に活着させることができる水草です。
驚くべきことに5℃程度までの低温に耐えることができ、環境に慣らすことで越冬も可能です。ただし、急激な温度変化には弱いため、設置場所には注意が必要です。
ミクロソリウム
ミクロソリウムはシダの仲間で、CO2添加が不要な初心者向けの水草です。
14℃程度までの低温に耐えられ、完全には枯れにくい特徴があります。葉の形状が美しく、アクアリウムの景観を引き立てます。
グリーンロタラ
グリーンロタラは、レイアウト水槽で人気の有茎草です。
20℃以下では成長が鈍化しますが、水上葉に切り替えることで越冬が容易になります。明るい緑色の葉が水槽を華やかに演出します。
これらの水草をヒーターなしで育てる場合、水温管理が重要です。室温が15℃以上で安定している環境であれば、多くの種類が育成可能です。
ただし、夜間や冬場に水温が急激に下がる場合は、発泡スチロールや断熱材を使用して保温対策を行う必要があります。
また、低温では水草の成長が遅くなることを理解しておく必要があります。これは自然な現象で、春になり水温が上昇すると再び成長を始めます。越冬に向けては、秋から冬にかけてしっかりと根を張らせておくことで耐寒性が向上します。
地域による気候の違いも考慮する必要があります。寒冷地では、ヒーターなしでの育成が難しい場合もあるため、地域の気候に適した水草を選ぶことが重要です。
水槽ヒーターの代わりに使い捨てカイロは使える?

水槽用ヒーターが故障したときや停電時の緊急対策として、使い捨てカイロを利用することは可能です。ただし、これはあくまでも一時的な応急処置としてのみ有効で、長期的な代替手段としては推奨できません。
発泡スチロールも使う
使い捨てカイロを水槽の保温に利用する場合、いくつかの方法があります。最も基本的な方法は、カイロを水槽の外側に貼り付けることです。ただし、カイロ単体では水温を大幅に上げることは難しいため、他の保温対策と組み合わせることが効果的です。
例えば、水槽全体を発泡スチロールの箱に入れ、その内部にカイロを配置する方法があります。この方法は、冬季の生体輸送でもよく使われています。また、水槽を新聞紙やアルミホイルで包むことで、熱の放散を抑え、カイロの効果を最大限に引き出すことができます。
使い捨てカイロを使用する際の最大の注意点は、絶対に水槽内に直接入れないことです。カイロの成分が溶け出すと水質が悪化し、魚の健康に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、温度管理が難しく、魚にストレスを与える可能性があることも認識しておく必要があります。
使い捨てカイロによる保温には、いくつかの問題点があります。まず、効果の持続時間が短く、一般的なカイロでは10~20時間程度しか発熱が続きません。
また、カイロは酸化反応で発熱するため、発泡スチロールなど密閉された空間で使用する場合は、空気穴を設けて酸素を供給する必要があります。
エアコンやお湯を入れたペットボトル
より推奨される代替手段としては、以下のような方法があります。エアコンで室温を管理する方法は、部屋全体の温度を上げることで水槽の水温も安定させることができます。
また、ペットボトルにお湯を入れて水槽に浮かべる方法も一時的な対策として有効です。ただし、お湯の温度は60~70℃程度に抑え、急激な温度変化を避けることが重要です。
いずれにしても、これらの方法はあくまでも応急処置です。熱帯魚の健康を長期的に維持するためには、できるだけ早く専用の水槽用ヒーターを購入することが最善の選択となります。
ヒーターなしで飼える熱帯魚のまとめ
ヒーターなしでの熱帯魚飼育は、適切な魚種の選択と環境管理があれば十分に可能です。特にアカヒレやプラティ、一部の古代魚、そして様々な種類のエビは、比較的低温に強く、ヒーターなしでも元気に育つことができます。また、マツモやアナカリスなどの水草も低温環境での育成が可能です。
ただし、ヒーターなしでの飼育には以下の点に特に注意が必要です。
- 室温を最低でも15℃以上に保つこと
- 急激な温度変化を避けること
- 魚の様子を日常的に観察すること
- 季節の変わり目や冬場は特に注意が必要
初心者の方は、まずはアカヒレなど比較的丈夫な魚種から始めることをお勧めします。また、ベタなど本来の熱帯魚は、できるだけヒーターを使用して適温を維持することが望ましいでしょう。
緊急時の対策として使い捨てカイロなども利用できますが、これはあくまでも一時的な措置として考えるべきです。
最も重要なのは、魚の健康と快適な生活を第一に考えることです。ヒーターなしでの飼育にチャレンジする場合も、必要に応じてヒーターの使用を検討する柔軟な姿勢を持つことが、長期的な飼育の成功につながります。
記事の総括
- 熱帯魚はヒーターなしでも飼えるの?
- 室温を一定に保つ
- 水温の急激な変化を避ける
- ヒーターなしのリスク
- ヒーターなしで飼える古代魚3選!
- アリゲーターガー
- スポッテッドガー
- ポリプテルス・セネガルス
- アカヒレをヒーターなしで飼育:室温15℃以上
- 適応できる水温
- 餌の量も注意!
- ベタをヒーターなしで飼育:室温20℃以上
- 室温は20℃以上を維持
- プラティはヒーターなしの飼育は難しい
- 水温が20℃までなら大丈夫
- 冬は特に注意!
- 水槽の設置場所や餌やりについて
- 繁殖にはヒーターが必須
- ヒーター無しで飼えるエビ
- ミナミヌマエビ
- ヤマトヌマエビ
- チェリーシュリンプ:14~15℃必要
- ミゾレヌマエビ:10℃程度まで
- 暑さや寒さに強い熱帯魚
- ガラ・ルファ(ドクターフィッシュ)は37℃にも耐える
- アロワナとアフリカンシクリッドは最大35℃
- ディスカスとセルフィンプレコは32℃まで
- アカヒレとコリドラス・パレアタスは約10℃まで耐える
- タイワンキンギョ(パラダイスフィッシュ)は15℃程度まで
- ヒーター無しで育てられる水草は?
- マツモ
- アナカリス(オオカナダモ)
- スクリューバリスネリアやバリスネリア・スピラリス
- ウィローモス
- ミクロソリウム
- グリーンロタラ
- 水槽ヒーターの代わりに使い捨てカイロは使える?
- 発泡スチロールも使う
- エアコンやお湯を入れたペットボトル