熱帯魚水槽の悩みといえば、魚のフンの掃除ですよね。
「フンを食べてくれる魚がいれば…」と思ったことはありませんか?
グッピーやプレコを飼っている方でフンを食べる様子を見たことがあるかもしれません。
「もしや、フンを食べてくれているのでは!」と思ったことはありませんか?
しかし、これは誤解なんです。
水槽内の掃除を完全に任せられる魚は存在しません。ただし、水槽の汚れを軽減してくれる「お掃除生体」と呼ばれる魚たちはいます。
これらの生物は直接フンを食べるわけではありませんが、水槽環境の維持に大きく貢献してくれます。
今回は、フンを食べる魚についての誤解と真実、そして効果的な水槽の掃除方法について詳しくお話しします。
記事のポイント
- 水槽のフン掃除する魚はいる?
- グッピーがフンを食べていたけど大丈夫?
- プレコがフンを食べるというのは本当?
- 熱帯魚のフンが多いのはなぜ?
- 水槽のフン掃除を自動でやってもらいたい
水槽のフン掃除する魚はいる?

結論から言うと、フンを直接食べる魚は基本的に存在しません。
ただし、水槽の汚れを軽減してくれる「お掃除生体」はいます。コリドラスは底生魚として知られており、底砂の上に落ちた餌の食べ残しを食べることで、水槽の汚れを軽減する役割を果たしています。
また、オトシンクルスは小型のナマズの仲間で、ガラス面や水草についたコケを食べることで、水槽を清潔に保つ手助けをしてくれます。
さらに、ヤマトヌマエビは、エビ類の中でも特にコケ取り能力が高い種類として知られています。餌の食べ残しやコケを食べることで、水槽の汚れを軽減する効果があります。
石巻貝も、水槽内のガラス面や装飾品に付着したコケを食べることで、水槽の美観維持に貢献しています。
これらのお掃除生体は、水槽の環境維持に役立ちますが、フンそのものを掃除するわけではありません。フンは有機物であり、分解される過程でアンモニアなどの有害物質を発生させるため、定期的な掃除が必要不可欠です。
底床クリーナーを使用したり、1~2週間に1回程度の水換えを行ったりすることで、水質を適切に保つことができます。また、フィルターを活用することで、フンを効率的に集めることができ、掃除の手間を軽減することができます。
グッピーがフンを食べていたけど大丈夫?

グッピーがフンを食べる行動を見かけることがありますが、この行動自体は必ずしも問題ではありません。
グッピーがフンを食べる理由には、いくつかの興味深い背景があります。まず、グッピーは雑食性の魚で、底に落ちた餌や有機物を探して食べる習性があります。そのため、フンを餌と勘違いして口にすることがあるのです。また、魚には環境内の物をつつく習性があり、フンをつつくのもその自然な行動の一環だと考えられます。
注意すべき点もあります。
他の魚が寄生虫を持っている場合、そのフンを食べることで寄生虫が感染する可能性があります。また、フン自体は水槽内で分解される過程でアンモニアなどの有害物質を発生させます。
そのため、フンを食べる行動が頻繁に見られる場合は、水質が悪化している可能性があるので注意が必要です。
この問題に対処するためには、適切な餌の管理が重要です。
グッピーには1日1~2回、2~3分で食べきれる量の餌を与えるのが理想的です。
餌の与えすぎは水質悪化や消化不良を引き起こすため避けるべきです。また、水槽の清掃も欠かせません。フンや食べ残しを定期的に取り除き、底床クリーナーやフィルターを活用して効率的にフンを除去することで、水質を清潔に保つことができます。
プレコがフンを食べるというのは本当?

プレコがフンを食べるという話は、実は大きな誤解です。
プレコは底生性の魚であり、底に落ちた餌や有機物を探して食べる習性があります。そのため、フンを餌と勘違いして口にすることはありますが、これは意図的にフンを食べているわけではありません。
また、プレコが底砂や流木を「ハグハグ」している際に、フンを一緒に吸い込むことがあります。しかし、これもフンを食べる目的ではなく、餌を探している過程で偶然起こる行動なのです。
プレコがフンを口にした場合、それが細かく砕かれることがありますが、これが水槽の清掃に大きく貢献するわけではありません。
熱帯魚のフンが多いのはなぜ?

熱帯魚のフンが多い理由には、いくつかの重要な要因があります。
消化器官が弱い
まず、多くの熱帯魚、特に草食性や雑食性の魚は、消化効率が低い傾向にあります。
これは、彼らの消化器官が植物性の繊維や特定の栄養素を完全に分解するのに適していないためです。例えば、プレコやオトシンクルスなどの草食性の魚は、植物性の餌を大量に摂取するため、フンの量が多くなる傾向があります。
餌のあげすぎかも!
次に、餌の与えすぎも大きな要因となっています。
餌を過剰に与えると魚は必要以上に食べてしまい、その分フンの量も増えてしまいます。また、消化不良を起こすこともあり、未消化の餌がフンとして排出されることがあります。
適切な量は、1日1~2回、2~3分で食べきれる程度です。
フンの量は個体差による
魚の種類や代謝の違いも、フンの量に影響を与えます。
グッピーやモーリーなどの小型魚は代謝が高く、頻繁に餌を食べるためフンの量が多くなります。
一方、金魚やプレコなどの大型魚は体が大きいため、フンの量も比例して多くなります。
餌の質が消化に与える影響
さらに、餌の質も重要な要因です。低品質の餌や消化しにくい餌を与えると、魚の体内で十分に吸収されず、フンとして排出される割合が増えます。
特に、安価な餌には消化しにくい成分が含まれていることが多いため、注意が必要です。高品質で消化吸収の良い餌を選ぶことで、フンの量を減らすことができます。
魚が多すぎるのも原因!
水槽の過密飼育も、フンが多くなる原因の一つです。
水槽内の魚の数が多すぎると、フンの量が増え、水質悪化の原因となります。過密飼育は魚にストレスを与えるだけでなく、フンの処理が追いつかなくなるため、水槽の管理が難しくなってしまいます。水槽のサイズに応じた適切な飼育数を守ることが重要です。
水槽のフン掃除を自動でやってもらいたい

水槽のフン掃除を自動化する方法として、いくつかの便利な機器が登場しています。
自動吸引クリーナー
特に注目すべきなのが自動吸引クリーナーです。人気の高い「フィッシュレット」は、エアーポンプの力を利用して水流を作り、底に溜まったフンやゴミを吸い込む優れた装置です。
フィッシュレットは物理濾過によってフンやゴミを専用のコンパートメントに集めるだけでなく、水槽内の酸素供給も同時に行ってくれる優れものです。特に、水槽底に砂利を敷かないベアタンクでは、その効果を最大限に発揮します。
また、「ドルフィン バイオスター」という装置も注目を集めています。この装置は水槽の底部に溜まったフンや残餌を吸引し、外部に排出する仕組みを持っています。水を抜かずにフンを吸引できる便利な機能に加え、リモコンで特定の場所を重点的に掃除することもできます。
投げ込み式フィルター
投げ込み式フィルターも効果的な選択肢の一つです。「LODAFISH 水槽フィルター」や「Mshsiw 全自動糞吸引コレクター」などの製品は、水槽内の水を循環させながらフンやゴミを集める機能を備えています。
水を浄化しながらフンを中央のコンパートメントに集める仕組みは、水槽管理を格段に楽にしてくれます。
水槽用ロボットクリーナー
大型水槽や特殊な環境では、水槽用ロボットクリーナーも有効な選択肢となります。「ドルフィン マクロ LED」のような装置は、壁面や底部の汚れを自動でブラッシングし、フンや藻を吸引する機能を持っています。
水深10mまで対応可能で、養殖場や水族館でも使用されている信頼性の高い機器です。
「フンを食べる魚はいるの?」のまとめ
フンを完全に掃除してくれる魚は存在しませんが、水槽の汚れを軽減してくれる「お掃除生体」は確かに存在します。グッピーやプレコがフンを食べるように見える行動は、実は餌と間違えているだけであり、意図的にフンを掃除しているわけではありません。
熱帯魚のフンが多い原因は、消化効率の低さや餌の与えすぎ、魚の種類による違いなど、さまざまな要因が関係しています。
水槽の管理を効率的に行うためには、お掃除生体の活用と定期的な掃除の両方が重要です。さらに、フィッシュレットやドルフィン バイオスターなどの自動掃除機器を導入することで、管理の手間を大幅に軽減することができます。
ただし、これらの機器を使用する場合でも、定期的なメンテナンスは必要不可欠です。適切な機器の選択と日常的なケアを組み合わせることで、清潔で健康的な水槽環境を維持することができます。
記事の総括
- 水槽のフン掃除する魚はいる?
- グッピーがフンを食べていたけど大丈夫?
- プレコがフンを食べるというのは本当?
- 熱帯魚のフンが多いのはなぜ?
- 消化器官が弱い
- 餌のあげすぎかも!
- フンの量は個体差による
- 餌の質が消化に与える影響
- 魚が多すぎるのも原因!
- 水槽のフン掃除を自動でやってもらいたい
- 自動吸引クリーナー
- 投げ込み式フィルター
- 水槽用ロボットクリーナー